【完全ガイド】
粒子径測定装置の選び方

粒子径の測定
粒子径測定装置の選定で、分散評価の精度が決まる
粒子分散系における最も基本かつ重要な評価項目の一つが「粒子径の測定」です。
粒子径測定には複数の原理と方式が存在し、目的や試料特性に応じた適切な装置の選定が、評価の信頼性を大きく左右します。
三洋貿易では、原液のままでの測定が可能な機種や、ナノレベルの分解能を実現する先進モデルなど、用途別に最適化された多様な粒子径測定装置をラインナップ。装置単体の提案にとどまらず、評価目的に応じた技術的なアドバイスとともに、最適なソリューションをご提供します。
粒子径測定装置の選び方
比較表:粒子径測定装置
◀◀ナノ粒子 |
サブミクロン粒子 | ミクロン粒子▶▶ | ||||||
原理 | 動的光散乱法 |
超音波減衰法 | 遠心沈降法 | レーザー回折散乱法 | 画像解析法 | |||
粒子サイズ | 0.5nm~10μm | 5nm~1000μm | 10nm~40μm | 20nm~2600μm | 1μm以上 | |||
乾式 | × | × | × | 〇 | 〇 | |||
湿式 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
試料濃度 | 希薄系 | 準高濃度 | 原液可 | 希薄系 | 希薄系 | 原液可 | 希薄系 | |
有機溶媒 | 〇 |
〇 | △ | 〇 | 〇 | |||
インライン | × | × | △ | × | × | × | 〇 | × |
オンライン | × | × | 〇 | 〇 | × | 〇 | 〇 | 〇 |
基準 |
散乱強度(体積、個数も変換可) |
重量 | 重量 | 体積 | 個数・体積 | |||
定義径 | 流体力学径 | 超音波減衰径 | ストークス径 | 光散乱相当径 | 円相当径等 | |||
適したアプリ | ・ナノ粒子の測定 ・少量測定 ・温度制御 ・ゼータ電位などのオプション |
・高濃度測定 ・高粘度 ・透明、黒い試料、沈降しやすい試料も測定可 |
・高分解能 |
・汎用性が高い ・乾式、湿式 ・画像解析オプションあり |
・形状評価 ・粗大粒子の確認 ・個数基準分布 |
|||
装置名 | BeNano | VASCO | VASCO KIN | DT-1202/1210 | DC24000UHR | Bettersizer2600 | SOPAT | XPT |
製品紹介
ナノ粒子径・ゼータ電位・分子量測定装置 BeNano

1台で粒子径、ゼータ電位、分子量、マイクロレオロジーを微量で測定可能です。ゼータ電位ではPALS技術により有機溶剤、低ゼータ電位の測定も高感度に評価可能です。オプションにpH自動滴定装置や、高分解能なフローモード(粒子径測定)等があり様々な用途に使用できます。
テーブルセル式 ナノ粒子径分布・分散評価装置 VASCO /VASCO KIN

テーブルセル式で希薄から準濃厚・濃色の粒子径測定、濃厚系の分散評価!動的光散乱方式で簡便・短時間でナノ粒子の粒子径分布測定、分散評価を実現します。省スペースで、温度調整も可能です。
非接触粒子径モニタータイプあり(VASCO KIN)
超音波方式 粒子径分布・ゼータ電位測定装置 DT-1202/1210

超音波の減衰やコロイド振動電流から粒子径(DT-1202/1210のみ)やゼータ電位を測定します。高濃度・高粘度のサンプルの粒子径を希釈することなく測定可能です。幅広い粒子径範囲が対応可能で、レオロジーオプションを追加するとMHz領域での粘弾性測定が可能です。また、オンライン測定(DT-500)機種もあります。
ディスク遠心式 粒子径分布測定装置 CPS Disc Centrifuge DC24000UHR

粒子は、密度が同じであればサイズが大きいほど速く沈降します(ストークスの法則)。この装置は、沈降速度差によってサイズごとに分級してから検出する「頻度別沈降法」を用いています。
レーザー回折・散乱式+画像解析式 粒子径分布・形状測定装置 Bettersizer2600

圧倒的なコストパフォーマンスと精確性・再現性を兼ね備えたレーザー回折・散乱法の測定装置です。独自の光学システムにより0.02~2600 μmと幅広い粒子径を一台で高感度に測定することができます。オプションで湿式の画像解析を付けることで形状評価も可能です。
プローブ式画像解析粒子径・形状分析装置 SOPAT

プローブ型顕微鏡をプロセスの中に入れて、粒子画像を取得し、自動画像処理によって粒子径、粒子径分布、アスペクト比そして円形度を測定します。サンプリングや希釈が不要なので経時変化や希釈による影響が無視でき信頼性の高い結果を得ることができます。
動的画像解析式 粒子径解析システム XPT

簡便、小型、リーズナブルプライスかつ多機能。
動的画像解析で粒子径分布と形状を測定するXPTは、高分解能測定、粗大粒子、異形、異物検知などに最適です。一台で湿式・乾式測定に対応します。
アプリケーション事例
医薬品

- 注射器内ワクチンのタンパク質や有効成分のサイズモニタリング
- 診断薬の均一性、凝集体評価
- 医薬品の結晶化プロセスの数値化
インク、塗料

- 顔料粒子の均一性や凝集体評価
- インク、塗料の品質検査
ナノ材料

- 銀ナノ粒子、量子ドット、二酸化チタン、酸化亜鉛、合成シリカなどの評価
- アルミナナノ粒子、ナノダイヤモンド、窒化ホウ素など研磨剤の均一性
粒子分散系評価のトータルソリューション

- 世界中から厳選した装置群
粒子径分布、ゼータ電位、濃度評価、安定性解析など多角的な評価が可能。 - 深い知見をもつ専門スタッフ
分散技術に精通したプロが、用途に応じた評価法をサポート。 - 導入からアフターまでフルサポート
各メーカーと連携し、トラブル対応・アップデート・トレーニングも万全。
分散系の問題解決には原液(濃厚)のままでの測定を!
- 分散安定性を濃厚状態のまま数値化したい
- 希釈すると状態が変わるので、原液のまま測定したい
- 分散安定性の高い原因・低い原因を数値化したい
より高精度な粒子径分布測定を!
- 中心径だけでなく、分布の形状を知りたい
- ロット間のわずかな差を検出したい
- 粒子径の異なる混合粒子をそれぞれ検出したい
- ナノラベリングに向けて、粒子径分布を知りたい
- 粒子径だけではなく粒子の形状パラメータを評価したい
